【2】 "呉"が観光目的地に選ばれる為の ==現状課題== |
そんな観点から、呉の現状を見ると、次の様な課題が挙げられbます。 |
❶ 呉固有の特長=観光「売り物」(主題)は何か? ==「軸」が見えない== |
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①呉固有の特徴として、呉観光の主柱にすべきアイテムとしては、
◆瀬戸内絶景、◆江戸時代から明治・大正・昭和~に至る歴史回廊、
◆海軍関連の遺構、遺産等 |
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②(観光客が)呉に興味を感じ、来訪を促す「呼び水」としては、様々なジャンルのアイテムが必要です。例えば
◇グルメ、◇ユルキャラ、◇映画や大河ドラマ、◇体験、◇保養、◇教養娯楽、
◇スポーツレジャー等々
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上記の内、①呉本来の「観光商品」(御本尊=主軸)と、②流行や人気にあやかる「客引きアイテム」(枝葉)が混同すれば、軸がフラフラして、呉を象徴する「本来の特徴」は、世間評に定着しません。 呉の紹介方法や情宣活動は、呉の「売り物」(呉固有の特徴)=「軸」がしっかり定着する様工夫が必要です。 |
❷ 呉で;「1日(終日)単位の観光(or滞在)満足度」の確保が難しい |
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観光素材が幾ら豊富でも、1日を効率よく観光や体験などで過ごせなければ「猫に小判」です。 交通機関等の問題で効率よく観光、または 1日を過ごせなければ、猫に小判です。
呉の場合、観光素材が分散していて、交通機関がネックになるので、バスツアーやクルージングなど「団体ツアー」を観光振興政策の柱にすべきと考えます。 |
❸ 「団体ツアーコース」がワンパターン化し、変化に富むコース設定ができない |
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呉観光(団体ツアー)は、《大和ミュージアム、下蒲刈、御手洗》= 3ヵ所の見学が ほぼ原則(固定観念)化しています。 現地の見学順路も ガイドも、滞在時間も、受入体制も全て固定化
しています。 それは旅行会社(団体ツアーコース)は勿論、行程の時間配分も、現地の見学順路も、観光ガイドコースも・・・全てワンパターンにルーチン化しています。それはツアー主催者も、受入側にも「当然、当り前」と固定観念になっているので、他の変化に富むツアーコースは催行されません。 つまり折角の 「お宝スポット」もごく一部しか、殆ど活用されていません。 |
❹ 全呉を通貫する「軸=ストーリー」がない == 呉観光の感動が弱い == |
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現地ガイドの説明は、狭い拠点内の内容に絞られ、全呉総合ガイドブックも、広報宣伝も、 各観光拠点や、物件(点)毎に羅列するだけで、呉全体を貫くストーリー(線)が繋がらない。
それは、個々の物件(点)を何ヵ所巡っても 「雑貨店の商品をパラパラ眺める」感じで、観光素材は幾ら豊富でも目移りするだけで、大した感動も印象も残りません。 |
❺ 観光客のリピーター化や 呉ファン育成の道が閉ざされている |
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◇現地観光ガイドは、現地のことのみ要領よく説明しても、他所の話題や全呉の情報
は説明しようとしない。
◇ガイドブックも、モデルコースも、観光ボランティアも、観光案内も、初めて来呉する
一元客が対象で、リピーター用の資料もパンフレットも、観光案内も極めて不備。
◇それではお客様には、全呉の総合力(魅力)は愚か、見残し物件の存在すら
気づかず、リピーターや呉ファンになる 糸口にならない。
◇(一般観光客は)再来訪しても、(見残した箇所への)交通機関も不便、現地に
着いてもガイドもいない、ひっそり閑として何の変哲も感動も感じられない。
◇団体ツアーも、「リピーター用コース」を設けるとしても、既存コースが定着している為、
並設は中途半端で現実的でない。 |
❻ 住民ぐるみ協力(住民パワー活用)体制が貧弱 == 観光先進地との格差要因 == |
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(現地で)観光ガイド等の説明を受けるお客様は、全体の1%にも達しません。
しかし先進地では、現地住民やコンビニ店員や通行人等との会話など、街全体の雰囲気がそれをカバーし、大きな機動力になっています。
しかし呉の場合、全域を通じて住民は観光客に対し概して無関心で協力ムードは低調です。 その主な要因としては、次の様な事情が考えられます。
a.観光の恩恵は一部の住民や業者に限られる、
b.経済的利潤は道中の別地域に吸い取られる、
c.住民の高年齢化が進むと不特定な外部者の流入を好まない、
d.観光業者や各ボランティア団体は、自団体または地元ファーストで「全呉意識」
が乏しい。
e.行政機関も、高度な知性や情報分野にボランティアを重用する発想が薄い 等々
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