地域観光 振興作戦

e-mail

改1
3. KVG部員のプラザ待機ガイド  (2020/ 2 記)
  はじめに

 呉観光情報プラザ(以下プラザ)は、呉観光の総合案内窓口として、来呉するお客様に、ホテルの紹介や、海軍カレーや日本遺産のスタンプラリーや、各種イベントなども含め、多岐にわたる案内をしています。 案内は呉市の女性職員が対応していますが、下記【】に示す様に、お客様一人ひとりの対応には限度があり、もっと詳しい説明や相談を望むお客様は、呉観光に期待外れの印象で退出される場合も多々あります。
 所で、KVGは呉市内の観光案内をする為に生まれたグループで、その仕事(活動場)には、呉探バスや、JRウォークなどがあります。 しかし時代の変化に伴い、現状は【】に示す様に、実質的な活動場も、活動に対する社会的注目度も次第に低下しつつあり、新たな仕事(活動場)確保の必要に迫られています。
 【プラザ待機ガイド】は、プラザ職員だけでは行き届かない部分を、KVG部員が補完する目的で、新たな仕事(活動場)にできないかと、現在まで(約 1年半)続けています。
 具体的な実施方法、及び結果(経験事例)は、【】に示す通りですが、対応したお客様にはかなり喜ばれ、再来訪(リピーター化)を促す効果も大きいと考えます。
  しかし【】に示す様に、私一人では(待機可能な日数が限られ)成果は微々たる程度しかなりません。 KVG部員も無理のない範囲でプラザに来て「待機ガイド」に加われば、お客様サービスにも、呉観光振興にも、部員同志の意思疎通を潤滑にしKVG内の活性化にも一石数鳥の効果と考えます。
 
 
  プラザ職員による観光案内の現状と、「プラザ待機ガイド」の接点

 ① 来訪客の【当日行動計画】についての相談
  ◆呉に来訪し、限られた時間で効果的に観光しようとするお客様には、大和ミュージアムとか、入船山記念館や、歴史の見える丘、アレイからす小島、音戸の瀬戸公園や、下蒲刈、御手洗などの紹介し、パンフレット記載事項の補足説明や、道案内などをしています。
 しかし(交通事情等を考えると)遠来のお客様の「見学可能範囲」は近辺の一部に限られます。 無理して魅力スポットを訪ねても、現地には誰も説明など聴ける雰囲気もない・・・。 プラザ職員の接客応対には笑顔を見せながら、しかし「呉観光は期待外れ」の印象で立ち去る人が多く見受けられます。
 
  ※◇そんな人に、私たち(KVG部員)が待機して、市内散策のヒントとか、呉の歴史や現在の街の様子、或いは自然景観の特徴・見所などを、お客様の興味を誘う様に、口頭で説明(=プラザ待機ガイド)することにより、お客様はあたかも現地を見たかの様な錯覚に捕われ、後日改めて、現地に行ってみたい思いを一層強くする人(感想を述べる人)もいます。

 ② 後日 【呉観光を計画している】お客様からの相談
  ◆お客様の中には、同窓会とか会社OB会、町内会旅行の幹事など、後日の”呉観光相談”(下調べ)に来る人もいます。 そんなお客様は、大体長時間を予定して来訪しますが、プラザ職員の個々人への対応には限度があり、基本的にはパンフレット記載事項について相手の質問に答える形です。 しかしお客様も呉に精通している訳ではないので、パンフレット記載の(代表的スポット)以外の秘蔵スポットなど、『観光地=呉』の秘蔵発掘などは、話題にあがりません。

  ※◇そんなお客様には、大体時間的余裕があるので、私たち(KVG部員)が要望を聴きながら、興味のありそうな事象説明や、最適な観光計画などを親身になって提案していけば、大抵のお客様は結構喜ばれ、呉観光について広範囲な話会いも結構弾みます。

 ③ KVGガイド依頼の受付
  ◆KVGガイド依頼は、プラザ職員が受け付けますが、依頼者に対するサービスや気遣いには配慮に欠ける所が多々あります。
 イレギュラーな依頼に、プラザ職員が即答できないのは理解できても、余りに機械的で融通が効かないでは、お客様には面倒くさい印象にしかなりません。

  また御手洗ガイドの依頼先は、通常は豊町観光協会、火曜日は呉に墨分けされています。
しかし豊町観光協会の休日や、平日でも 17:00以後は電話も通じず、仕方なく呉に問合わされても何も答えられない、挙げ句の果て、16:00以後にかかるガイド受付けは断られる始末です。
 それは、下蒲刈と御手洗をセット周遊したいお客様は、呉(KVG)と、豊町(観光協会)に別々に依頼手続きをする面倒さに加え、呉~豊町に交互に連絡し、両方の受入れ条件が一致するまで旅行計画を立てられません。 スケジュール変更や、トラブル発生などの緊急連絡も、呉~豊町の両方にするのは大変です。 折角来訪しようと言うお客様を冒涜する様な仕組みが、現に放置されています。

  ※◇観光振興に肝心なのは、旅行を計画中のお客様を呼び込む配慮です。 それを無視して、現に来訪してきたお客様の”おもてなし”に細心の配慮っても「本末転倒」です。 豊町観光協会との関係については、高所からの指導も必要かも知れませんが、それ以外にもKVG部員が加わればもっとスムーズに運ぶことも色々あります。 そんなサービがKVGの理念の筈です。 その一つが「プラザ待機ガイド」と考えます。

 

   KVG発足後の経緯と現状について

 KVGは20年近く前、呉観光振興の一役を担って山元会長(当時)により結成されました。 当時、観光案内は少人数の「個人ボランティア」が主流だった時代に、KVG「組織ボランティア」の結成は全国的にも先進的だった筈です。 それに続き大和ミュージアムが開館し、呉観光の雰囲気の盛上がりと共に、 KVGには大きな期待が掛かりました。 呉観光関連行事には、私たち(KVG)も参加し、市役所の要職者や瀬戸内海汽船、JR等々の外部団体の要職者も見えました。 活動範囲も入船山や呉探訪バス、JRウォーク、御手洗、呉~松山フェリー・・・等々、広がり基調で、KVG内の雰囲気も活性的でした。
 私たちはその後も、観光ガイド活動には誠心誠意を尽くしていますが、活動場は時代の流れに伴い、次の様に「じり貧」路線を辿っています。

 ◆御手洗のガイド
  豊島大橋開通により観光客急増しましたが、当時は現地にガイド居なかったので、私も含めKVG(旧市内)部員は7~8名が、殆ど全部のガイド依頼に頻繁に対応していました。 しかし現在は、豊町メンバー2人+KVG(下蒲刈)部員(4人)で殆どのガイド依頼に対応しています。 呉(旧市内)部員が応援する必要は殆どなくなり、活動(仕事)量はそっくり縮小しています。

 ◆瀬戸内サミット
  当初は、瀬戸内サミット開催など、外部団体にも積極的に働きかけたり、KVG部員のモチベーションも高い時期がありました。 しかし現在はそんな考え方をする人がいなくなり。 三役や市役所担当者も、煩わしさから逃げ腰な雰囲気が感じられ、KVG部員全体もモチベーションの低下は否めません。

 ◆呉~松山船上ガイド
  松山ボランティアと連係して開始され、呉部員は、私も含め 6~7人が対応していました。 それに関連して瀬戸内海汽船等とは、別ルートのガイド依頼や、新設コースの下見(乗船)など親密な協力関係がありました。  しかし(ガイドの依頼客が少ない、直前の乗船便変更やキャンセルに、ガイド者の対応が難しい、その他)諸般の事情で中止になり、その後松山ボランティアとの連係も解消されました。 瀬戸内海汽船などからのガイド依頼も疎遠になっています。

 ◆入船山ガイド、呉探訪バス
  入船山ガイドも、呉探訪バスも、呉観光の盛上がりに合せる形で始まったのではないか思います。 当時は、KVGにも大いに期待された筈です。
 しかし呉探バスは、採算ベースに乗らなければ廃止は自然の流れです。 現在は、それに代わり”呉街バス”にKVGの活動場は引継がれているとは言え、少ないお客様にボランティア員が群がる状態では、モチベーション高揚には限度があります。
 入船山記念館も、私たちがお客様を選べるぐらいの客数が欲しい所ですが、(現在の客数では)平日にはガイド者を確保するのが難しい状態です。
 理由はともかく、旧来通りのやり方が、何時までも続く時代ではなくなっています。 常に新しい活動場の開発もしていかなければ「ジリ貧」の一路しかありません。

 ◆おさんぽクルーズ
  現在、KVGと瀬戸内海汽船の接点は、”おさんぽクルーズ”のガイド契約のみです。 それもお客様は少なく、私たちのガイドを期待して乗船するお客様はゼロに等しい実情です。
 以前、(私の感触では)瀬戸内海汽船の営業施策として、呉市との関係緊密化を模索する過程で、KVGも利用価値があったのではないかと思います。 それには山元会長(当時)も積極的だったと思います。 その頃(私は)呉~松山フェリーや、陸奥記念館(周防大島)~呉間の下見や、ガイド依頼も受けたことがあります。 またKVGメンバー全員にベストを支給して貰ったこともあります。
 しかし今のままでは「おさんぽクルーズのガイド契約」も、打切られるのは時間の問題と見るべきです。

 ◆音戸、三ツ蔵ガイド支援
 かつて大河ドラマや、映画”この世界の片隅で”の放映時には観光客が殺到し、KVG部員はかなりの負担にも拘らず意欲的に協力し対応しました。 それは気概を感じる仕事(活動場)さえあれば部員のモチベーションが高揚し、活性化する証しと言えます。 しかしこれらは一過性です、待っていて舞い込んで来る仕事ではありません。 新しい活動場の開発が必要です。

 ◆ KVGの課題
  私たちは、来訪するお客様へのガイドやおもてなしに誠心誠意尽くしていますが、過去からふり返ると、社会に対する実質的な活動価値や、KVGに対する社会的注目度もジリ貧であることは否めません。  時代の変化(環境変化)に素早く順応しなければ、自然淘汰は避けられません。 KVGにとって、新しい活動方法や、新しい仕事(活動場)の開発は急務の課題と考えます。 
 プラザ待機ガイドは、そんな目的で現在まで(約 1年半)続けているものです。

 

  プラザ待機ガイドの実態、及び経験事例等

  観光情報プラザを訪ずれるお客様は、職員の応対は好印象でも、個々のお客様には、上述の如く、「呉観光は期待外れ」な印象を多々与えています。 それには私たち(KVG)部員が『プラザ内に待機して、サポート』することにより、かなりの部分を補完することができます。
  お客様は、交通事情やその他の理由で目指す観光スポットに行けなくても、私たちが見所のポイントなどを説明すれば、(説明なしで)直接訪れていたより、もっと強く感銘し、後日もう一度、是非 来訪する(リピーター化)と気持ちを告げる人も多くいます。 意気が合えばアウトドアーの案内を要望されるお客様もいます。 それも都合がつく範囲で同行に応じています。
 以下は、私が行っている「プラザ待機ガイド」の実態/経験です。 但し、私のガイド方法以外にも、KVG部員が個性を活かしたやり方をすれば、もっと違う効果も期待できると思います。 


 1) ガイドを希望するお客様を見つける手順;
   プラザに来訪したお客様からのガイド依頼は、通常、次の何れかの手順で受けます。 
    ① カウンター付近にいる時、お客様と偶然顔が合い、ちょっとした会話からもっと詳しい
      ガイド依頼に発展するケース、
    ② KVG事務所に待機中、プラザ職員によっては、接客中にお客様の心理を上手く
      察知し、必要に応じて紹介されるケース

 2)カウンター付近での立ち話で説明する場合;
   多くのお客様は、時間的余裕が少なく、5~10分ぐらいの立ち話しで済ませるのが一般的です。
  大和ミュージアムとか、入船山とか、アレイからす小島など・・・の見学予定スポットへの道案内や、見所の特徴などについて、プラザ職員に確かめると、細かい質疑はないまま立ち去るのが普通です。
 しかし私たち(KVG部員)が加われば、もっと会話が広がり、時間に余裕ある場合ば、ロビーのテーブルに着いて続行する場合があります。

 3) ロビーのテーブルにつ着いて説明する場合
   カウンター付近での立ち話から、テーブルに着いて続行する場合、大体は 1~3人以下のグループですが、会話が弾めば、「呉の観光魅力」を一層強く、印象づけることができます。 それは次の様な事例が一般的です。
 
   ① 呉全体の観光スポットの案内(20分~30分以内)
  大体のお客様は、当日の観光予定(見学先の選定/周遊する順路)を組む相談です。
  お客様と一緒に考えながら、出来るだけ呉の観光魅力が印象づけられる様に工夫します。

   ② もっと長時間に及ぶ案内(30分~1時間以上
   頻度は少ないですが、 特に火曜日、行く宛に窮する遠来客や、マニアに近い人は、話が合い興味を昂進してくると、1時間以上会話が弾むケースもあります。
 話題は様々ですが、観光情報プラザに来るお客様は、戦艦大和についてとか、呉鎮守府についてとか、太平洋戦争とか、日清・日露~日中戦争などの興味が中心で、マニアに近いお客様からは、結構色々な知識を授かることも多いです。
 時間が十分あり、出航時間のタイミングが合う場合、「おさんぽクルーズの船上」に席を変えて案内すればもっと感動されます(下記;おさんぽクルーズの項)

 4) アウトドアーのガイドを要望される場合;
   ロビーガイドで呉観光気分が高まると、または(火曜日などは最初から)アウトドアー案内を希望されることもありますが、大体は次の様に応じています。

   ① 市内散策
   近辺のアレイからす小島、音戸の瀬戸公園、歴史の見える丘、二百階段などを紹介します。
 しかし市内散策は、買い物やレストラン休憩などを考えると、ガイドが付いて駆け足で巡るより、自分たちでゆっくり回る様に薦め、原則的に同行ガイドは断わる様にしています。

   ② 中央桟橋展望台で呉湾の景色の案内
  プラザから最も簡単にスポットにあり、「プラザ待機ガイド」で、呉鎮守府について短時間案内するには最適のスポットとして、時々は同行ガイドに応じています。
 帰途につく前、時間が少しあるので・・・と言うお客様は喜ばれます。
 しかし時間的にタイミングが合えば、おさんぽクルーズの乗船を薦めて案内する様にしています。

   ③ おさんぽクルーズに乗船して呉湾ガイド
  呉全般の観光案内は、プラザロビーで説明するよりフェリー船上で景色を見ながらの方が、遙かに迫力があります。瀬戸内海汽船に協力する意味も含め、積極的に薦めています。 出航時間との関係で滅多に実現しませんが、実現した時はお客様から非常に喜ばれます。
  主な話題としては; 呉湾内の風景を中心に、江田島(兵学校)とか、御手洗とか、下蒲刈とか・・・の観光案内もしますが、中には瀬戸内観光とか、村上水軍などの話が出ることもあります。
 火曜日の見学スポット相談に来るお客様や、半歴史マニア型のお客様は、大変感激されます

   ④江田島兵学校見学の紹介(場合により同行も)
  ロビーガイドで興味を昂じるお客様には兵学校見学も紹介します。 見学は後日になるので同行はしませんが、稀には(道中)もっと説明が聴きたいとか、外人は現地で通訳の為、同行したこともあります。

   ⑤ 旅タクによる市内観光
 火曜日(主要施設休館日)遠来の夫婦から、途方にくれる表情で何処でも良いからと、案内を相談されました。 お客様の要求に沿って呉の歴史及び概要を説明し、休館施設についてもパンフレットを基に口頭で説明を追加し、それを実証する様に、呉タクを使って観光案内しました。海軍墓地、自衛隊総監部、歴史の見える丘、アレイからす小島で旧海軍の名残りを説明し、宮原方面高台から眺める呉湾、日招き像から瀬戸内海、第二音戸大橋展望所からの夕景など、呉周辺の絶景スポットに案内すれば、主要施設が休館でも、お客様は大変満足して帰られました。


 
 
  KVG部員によるプラザ待機ガイドの意義

  「プラザ待機ガイド」は、上述の様な、呉観光に「期待外れ」の印象を抱いて帰途につくお客様の救済のみならず、却って「観光資源の豊富さ」に感激させる効果も生まれます。 現に、次の様な感想を述べられるケースもよく経験します。
  a, 呉(周辺)には予想していた以上見所があることに感心されます。
    (※ 多くの人が、後日、再度、来呉し時間をかけて見学したいと感想を述べられます)
  b.日本海軍や大東亜史の興味が深まった。 他の軍港四市にも行ってみたい。
    (※関東のお客様には横須賀に、九州のお客様には佐世保に、先ずは訪ねて
     みなければ・・・と、感想を述べられます。
     軍港四市のボランティア連係により、呉にもお客様を廻して貰える仕組みができ
     ないか?)

 しかし現在、私一人で、火曜日午後だけ細々と待機するだけでは、成果と言うには微々たるも程度しかなりません。 (私以外の)KVG部員も、無理のない範囲でプラザに来て、もっと頻繁に誰かが待機してガイドすれば、次お客様(=リピーター化)も促す為にも、もっと大きな成果が期待できます。 同時にKVG部員同志の意思疎通もでき、KVGの活性化にも一石数鳥の効果に繋がると考えます。

  瀬戸内観光作戦;         8
*****  観光振興=関連記事リンク  *****
呉観光振興作戦 私の歴史観 呉周辺スナップ