【5】 総 括 |
日本全国に観光客数が増加しても、方々に出現する名勝地に吸収され、”呉”には観光資源が幾ら揃っていても、訪れて来ません。
「広島や宮島に来た序に呉にも・・・」と奨めても、お客様のスケジュールがタイトで中々実現しません。 勝敗の分かれ目は、一日を通した 「終日観光満足度」にあります。 それは大和ミュージアムとか、御手洗とか、下蒲刈とか、音戸とか・・・総合力で勝負しなければ、各スポット毎
個別では勝ち目はありません。 |
しかしバスツアーなどは、旅行会社のプランナーが 見学先を上手く組合せて【終日ツアープラン】を組む為、ある程度の「満足度」は確保されても、周遊コースはワンパターンに限られ( 前述;2ー2)❸ 参照)・・・、「呉のお宝」は極く一部しか活かされません。 しかも各スポットの見学も最短時間になり・・・、”呉”本来の特長(差別化ポイント)のアピールの場は圧縮されています。 それでも、呉(受入れ側)から旅行会社への提案や折衝する発想はありません。
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大学の先生や専門家のセミナーは、観光客動向の統計や、各地域の取組みや成功例などが理路整然と紹介されます。 しかし「呉本来の特質(差別化ポイント)」と合致する例は、先ずあり得ません。 |
そんな事例や流行にヒントを求めることは必要でも、しかし本業=《地域の特質(差別化ポイント)》を基盤とし、それを増長する施策でなければ、幾ら努力しても蓄積はできません。 長期的な勝ち目はありません。 |
その基本は、次の様に考えています; |
❶観光客に、呉の魅力を理解させる戦略 (観光ガイド、見学順路・モデルルートの整備・・・等) |
❷観光客に、快楽・便宜与え、雰囲気を盛上げるマーケット戦略;
(レストラン、各種イベント、ユルキャラ、グルメ・・・等、費用の比較的軽微な施策) |
❸経済効果を目的とし、PDCAサイクルを循環させる作戦;
(飲食業、宿泊業、商店街、交通機関、遊興施設、・・・等の活気を呼び戻す) |
ここに、❶は 観光ボランティア等の発想で、 ❷は 観光関連業者等が中心になって実行する、→それが進展すれば、 ❸は 自然に追随し好循環に繋がる・・・と言う発想です。 |
それにも、最も基本的な条件は、観光ボランティアと上部組織(役所等)双方に、「次の2点」を確保することが先決と考えます。 |
①本業(地域固有の特長、特質)を見究め戦略を考える人材育成と、その活用能力向上 |
②旧来の固定観念を改め、時代の動向(外部環境の変化)を察し、即応できる組織体制 |
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