| ホーム | ******* 2005 ** 04/11(月) 〜 15(金)*********
カナディアン ロッキー Canadian Rockies

    【PARTーU】     目次, PARAT-TPARAT-U,PARAT-V


   ≪カナディアンロッキー観光≫


カナディアン・ロッキ-


氷河湖


氷 原


氷河の溶け水


 ≪カナディアン・ロッキーの地形≫
 ロッキー山脈は,アメリカ大陸プレートが西に張り出し,剛堅な太平洋プレートにぶつかると,(大陸プレートの)淵部はその圧力に屈しメチャメチャに崩壊する。
しかし,それでも尚,何億年もず〜っと張り出し続けると・・・,それが次第に盛り上がり現在の姿になった。

 それと,その昔トロント(カナダ東部の都市)から西は全て深い海底にあったので,ロッキーは水成岩地層でできており,当時の海棲生物化石が数多く発見される宝庫にもなっている。
この成因はヨーロッパアルプス,日本アルプス,台湾山脈なども同様だから,険しい造山情況は非常に良く似ている。
それと,約1万年前の氷河期には ここは≪厚さ数百mの氷河に覆われていた≫ので,随所に無数の氷河湖や,U字谷などの氷河地形が存在する。

蛇足かも知れないが,氷河地形の自然は,ここカナディアンロッキーは勿論だが,スイスでも北欧でも,(恐らくニュージランドでも,その他でも・・・)私たち【狭所族】の想像限界を遙かに超えて美しい !!

 ≪ 氷河 ≫
 氷河は大気中の細かい塵やほこりを含む雪が降り積り,結晶のまま(溶けることなく)強圧縮されてできあがる。
そのためには 最低 30m以上の積雪が必要で,氷河の成長は1年間に 30cm厚 ぐらいだそうだ。
だから,氷河には大気中の塵やほこり,気泡などが(凝集や沈殿することなく)雪の降り積ったままの分散状態が,濃密圧縮された状態であることが,普通の氷との異なる。

 ≪氷河の移動,クレバス≫
 こうしてその厚さが何百m にもなると,莫大の自重は,氷河の淵辺を周囲に押し広げる力となり,地形的に弱い所や低い方を見つけて更に押し出す。  これが巨大な氷河の移動(流れ)で,その速さは1年間に数cm〜数m程度と聞いている。
 しかし氷河は容易に変形できない細かく割れたり(クレバス),谷間を大きく削ったり(字谷),平坦地を大きくえぐり(氷河湖)ながら,海まで流れて フィヨルドの地形をつくる。

そんな訳で氷河の上には通常,雪が積っていて,崩れた断面以外表面は見ることができない。
だから≪大氷原≫と言っても,そんな実感は伴わない。
しかし,氷河には往々,何十m とも,何百m とも言われる深いクレバスがあり素人歩きは非常に危険とされている。

 ≪氷河の色≫
 太陽光線は,塵やほこりを含む大気中を透過すると真っ赤な夕焼色が残る。
しかし,大気ダストにより乱反射(透過光でなく)を繰り返すと,まっ青な青空色になる。
氷河の中のダストは,大気よりもっと濃密に圧縮されているので,氷河は青みを帯びて見える。

 氷河の溶け水は,こんな浮遊物を分散したまま流れて来るので,川も,湖も,湿原も・・・通常よりもっとまっ青に澄んだ水になる。
それと湖の水には,氷河の移動時に削り出された岩粉(シルト)も浮遊しているので,その量や天候,水温,太陽光線により湖の色は鮮やかなエメラルドグリーンやコバルトブルーに刻々と変化する。

 ≪ 自然環境の保全 ≫

ビッグホーン


森林限界線

 カナディアン・ロッキーは公園管理行政上,ジャスパー国立公園,バンフ国立公園,ヨーホー国立公園,クートネイ国立公園の4つの大きな国立公園に分かれているが,実際上は 南部(バンフ)から北部(ジャスパー)まで 300km という,そのぐらい広大なエリア全体を一つの自然公園と見るべきだろう。

 公園内では,自然や生態系を 完全に自然のまま維持することが最重要課題とされている。
例えば,公園内ではごく一部の特例以外,土地も住居も私有は許されない。
 ハイウェイも『動物優先・・・』,というより貴重な自然の中にハイウェイがあることで,野生動物の生態系に与える影響の方がもっと重要課題とされている。
そしてここは,エルク,ムース,ビッグホーン・シープ,マウンテン・ゴート,ブラック・ベア,ピカ(ナキウサギ),ターミガン(ライチョウ)など・・・沢山の野生動物を,ハイウェイを走行中に見ることができる。

 また,この広大な乾燥地帯では樹木が密生すると時々山火事が発生する。 殆どは雷に起因するそうだが,自然火災は原則として消火活動はせず自然鎮火を待つそうだ。

 ≪森林限界線≫
 ロッキー≪標高 1,000数百m,気温 ;冬季 ー30℃,夏期+30℃,乾燥し,有機物や栄養の乏しい土壌≫という自然条件では、植生は山地帯のポプラ,亜高山帯のラーチ(カラマツの種類)や,種子が山火事の熱で散布されるロッジポールパイン(マツ科の種類)等が代表だが、山の麓では青々と茂る針葉樹林も,標高が高くなると寒冷さに遂に耐えられなくなる。
カナディアン・ロッキーでの森林限界線は≪標高 2,100m≫で,これを境にして驚くほど明確に,それ以高は全くの岩山に変わる。


   04/12 Tue(第2日目)

 
≪アイスフィールドパークウェイ,レイクルイーズ,・・・コロンビア大氷原,サルファー山,etc 観光≫

 今日は バンフ出発 →コロンビア大氷原まで アイスフィールドパークウェイ往復の観光に出かける。

 コロンビア大氷原は,カナディアンロッキー観光の目玉であるが,道中,国立公園のど真ん中を突っ走る,アイスフィールドパークウェイからは,眼前に展開する雄大且つ豪快にカナディアンロッキーの全貌を眺めることができる。

 但し,冬季気温ー30℃にも達するこの寒冷地では,まだ全ての湖は まだ凍りから醒めず・・・,特有の彩色を放っていないのが残念だが・・・,その代わり,まだ大量の残雪を頂く ロッキーの山々は1年中で最高に豪壮だ !!

バンフ帰着後は,ロープウェイでサルファー山に上り,四面,そんな豪壮な山々に囲まれた拠点都市,バンフの街を,高所から俯瞰する。



  ≪アイスフィールドパークウェイ≫
 バンフからジャスパーまで,全長 300km 。 国立公園の真ん中を南北に縦断するのハイウェイで,カナディアン・ロッキー観光の基本ルートである (と言うよりも公園内の ルートはこれ1本しかない)。
 ハイウェイの沿線には、キャッスルマウンテン,レイクルイーズ,クロウフット氷河,ボウレイク,スノーバード氷河,ベイトレイク,・・・コロンビア氷原 ・・・等々、それはそれは・・・豪華自然のオンパレード !?

動物トンネル


 そんなカナディアンロッキー・マウンテンのど真ん中を縦断するのだから、もの凄く大きいも,氷河も,もの凄い美しいも,も,
広大な
針葉樹林も,夏には美しい高山植物・・・,それにロッキーに生息する珍しい野生動物たちの姿も・・・迫力のある,雄大なカナディアンロッキーの全てが次から次・・・,しかも眼前に展開する・・・。

 ただ,反面、問題は・・・この自然公園を真っ二つに分断するこのハイウェイが,野生動物の生態系に与える影響が計り知れないほど大きいことだ。
この対策として,道路には柵は設けず,動物の渡る橋や動物トンネルなどが試みられているが,事態は中々容易でない様だ。

  ≪キャッスルマウンテン≫
西洋の城のような形が特長。 角度により様々な様相を変え,他にも色々な
名称がある。 手前のボウ川はマリリンモンロー主演の「帰らざる川」で有名。



写真
雪解け後のレイクルイーズ(パンフレット)
 ≪レイクルイーズ≫
  英国ルイーズ王女の名を与えられたこの湖は,“カナディアン・ロッキーの宝石”と言われる美しさと静寂さをもつ氷河湖。 湖水はビクトリア氷河によって削られた岩石の沈泥(シルト)が含まれ,太陽光線の加減によってエメラルドグリーンから深いブルーグリ−ンまで刻々と変化する。
湖畔には 1925年に建設されたお城のような優雅なホテル” シャトー・レイク・ルイーズ ”が観光客を集めている。
     






  ≪ボーレイク≫
 今の季節,全ての湖は凍っていて色のないのが残念・・・
!!
夏期,氷が溶けると シルトを含んでエメラルドグリーンや緑青に自在変化する湖面に,超雄大なロッキーの山々をくっきりと映している筈のこの美しい湖はボウ川の源流で,氷河がボーバレーを削り、ながら移動し,やがて解けると莫大の土砂を堆積し,ダム湖の様になった。
 (右2枚はパンフレット)




  ≪クローフット氷河≫
名の通り,崖にある氷河がカラスの足のような形に見える。
通常カラスの足は3本・・・,昔は指が3本あるように見えたが,1940年代に一番下の足が崩れ落ちてしまった。



  ≪ペイトーレイク≫
ペイト氷河の堆積物の影響で,湖面は季節により≪コバルトブルー≫や≪エメラルドグリーン≫に変化する。 但し,今の季節は凍っていて色が見えない・・・ !!
しかし,その分だけここを取り巻くロッキーの山々は,もっと豪壮に見える !!



  ≪スノーバード氷河 Snow bird glaciar
パターソン山の氷河で、鳥が急降下しているような格好をしていることからこの名がつけられた。
車窓(防眩ガラス)越し撮影



  ≪ ウォーターファウルレイク(水鳥湖)



   ≪ ドライブイン ≫



 ≪すすり泣く壁 Weeping Wall
 ペイトレイクからコロンビア大氷原に向かう途中,右手に切り立った大岩崖が見えてくる。
 夏は雪解け水が幾筋にも流れ落ち,流れにそって黒くなっているのが涙の様に見えることから ウィーピング・ウォール”すすり泣く壁”と名付けられた。




≪サンワプタ峠≫ Sunwapta Pass
 ここを過ぎると,BIG BENDと呼ばれる大曲がりを湾曲しながらサンワプタ峠を登る。
 更に登り,峠にさしかかる頃ここはシーラス山と,氷河に侵食されたU字谷が望める。

サンワプタ峠はバンフ国立公園と,ジャスパー国立公園の公園境になっている。




  ≪コロンビア大氷原≫
 コロンビア大氷原は 何といっても アイスフィールドパークウェイ観光の目玉だ。
コロンビア大氷原のアサバスカ氷河はバンフから200km,ジャスパーからは100km に位置する。氷河期(約1万年前)にはカナディアン・ロッキー一帯は厚さ数百mの氷河に覆われていた。
しかし,現在はその大部分が溶けてしまい,現存する氷河の中で,コロンビア大氷原は最も規模が大きく一般にもよく知られている。

シーズン中には巨大な雪上車による観光ができる。
急な坂を上り下りしながら大氷原の淵に来ると,もう大氷原が広がり,氷河の先端,進行方向に直角な割れ目(クレバス)が見える。 3,000m級の山々が氷原を取り囲む様にそびえ・・・,そんな大自然に思わず固唾を呑む・・・。 現在,アサバスカ氷河は年々1.6mの速度で後退しているそうだが,氷原では突如 落ち込むクレバスが現れたり,溶け水が透き通った綺麗な青色に見えたりする。




  ≪サルファー山ゴンドラ≫
 標高2281m。 晴れた山頂からはバンフの町やロッキーの山々が一望でき,素晴らしいパノラマが広がる。
サルファー山の名前は麓で湧き出す温泉にちなんで付けられた。
1883年にカナダパシフィック鉄道敷設調査の際,偶然温泉が発見され,【バンフスプリングス】と【リムロックリゾート】の2つの超豪華ホテルも建設され,バンフの街の発展に繋がった。  【バンフスプリングス】 ;右写真




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