”呉”観光振興作戦(要約編)(一観光ボランティアの目)
本稿は、2015~2016 ブログ投稿記事の要約です。


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Ⅰ. 『地域”観光振興作戦基本条件

 
前報で、『 ”地域”観光振興作戦』 について詳述してきたが、かなり長編多岐な内容になったので、以下、要点を大略的に要約する。 
 

 1.基本的な推進組織と・計画立案方法
  ①作戦立案・推進の
【リード役(体制)】は、観光ボランティアを含まれること。
  ②計画は、最終目標の
【全体像を描きながら】実行手順を逐次調整すること。
  ③推進計画は、とりまく状況変化に応じ
【臨機応変に修正可能】であること
  ④作戦は
【ステップアップ方式】で基盤固めしながら一段づつ積み上げること。    

2.基本的な推進作戦
  ①現在ある
【資源の観光価値をUP作戦】
  ②市民、住民を取り込む
【ボトムアップ作戦】
  ③観光客を誘致する為の作戦
【PR、各種施策】    
 



   上記【基本方針】に少し説明を加えると
 1ー①観光ボランティアの活用
  専門家の手を借りることを全否定はしないが、
  
a.観光ボランティアによる情報や知見、及び提案は必要不可欠である。
  
b.その為、観光ボランティアグループもレベルアップをも必要であること。
      
その上で最終目標とする全体像を描く。
   全体像なしで『できることを手がける』やり方では、方向性がなく無駄足が多い。
   
それには推進する順序が大切である。
   順序を間違えて先行投資を進めると、情勢変化によってはとんでもない負債にも
   なり兼ねない。
つまり
観光事業は決して安定事業ではない
   交通、景気、経済、環境、世相、流行、評判・・・等々、ちょっとした世相変化に
   非常に敏感である。 それに
対応できなければ一気に崩壊する危険性が高い。
多少の世情変化に耐えられる基盤(体制)固めしながら、基盤の堅固さに応じて
   逐次の投資計画を組む。 それを繰返しながら
徐々にステップアップしていく。

    ※打上げ花火方式(その場限りの盛上げ)は、幾ら繰り返しても進歩しない。

2ー①観光商品の 【総合魅力最大化】作戦
  観光商品とは
   a.品質=【
資源価値、短時間・効率的周遊・おもてなし 観光快楽の増大
   b.コスト=【計画段階の準備・手数、&来訪・周遊に必要な全経費】
  の関係で【商品価値の最大化】を目指す作戦であること。

 それには周辺の観光資源を連係が不可欠と考える。
 しかし地域内でも、業者間や周辺地域間での利害が絡んで調整は容易でない場合、少なくとも私たち観光ボランティア(または誰か)が率先する姿勢を示さなければ何も始まらない。
        
市民、住民を取り込む【ボトムアップ作戦】
  推進力(マンパワー)として、住民有志もイベント等に関心をもち、ボランティア協力が得られ易い様な絆を維持増進する「啓蒙活動」が必要である。
  現在、全国展開されている【観光客誘致合戦】に勝ち残るには、「災害ボランティア」と同様、住民協力が不可欠要素になっている。

テーマ(ストーリー)観光
    大勢のインバウンド客を集めるには
    a.観光価値(スケールインパクト)の雄大化

     b.観光客のリピーター化
   が最重要因子になる。

 それには、通常の テレビや新聞、インターネット、パンフレット、係員が日本各地を訪ねてPR、・・・等々に加え、旧呉市内や、とびしま海道や、しまなみ海道・・・等々の 周辺観光スポットをストーリーで結び、観光客はそれをテレビドラマの続きを見る様な感覚で、リピートツアー誘導しようと言う発想である。
 それはガイドストーリーを考えるだけで、観光投資費用も掛からない。

  例えば(呉の場合)
       広島ー宮島ー
  =歴史と戦跡のトライアングル、
       
ー下蒲刈ー御手洗  =歴史ロマン周遊、
       広島ー
ーとびしまーしまなみ =瀬戸内絶景コース、
       
ー江田島・・・ =太平洋戦跡コース、
       
ー横須賀ー佐世保ー舞鶴 =日本遺産(歴史周遊)、・・・等々
 


    


  
Ⅱ. 観光資源の地理的、歴史的特性

 観光資源の地理的、歴史的環境
  例えば ”呉”周辺を例を考えて見ると

  呉市は、地理的にも瀬戸内観光には絶好の中心位置にある。 
  風景も大小の湾あり、瀬戸あり、外海あり、多島美も・・・何処よりも変化に富む絶景が
    連続的に楽しめる。
  海軍鎮守府、日清・日露~太平洋戦争の歴史遺産は、(日本/世界の)近代史上、
    一級の伝承価値がある。
  北前舟(御手洗)と、朝鮮通信使(御手洗)をセットにすれば、もっと広い視野で 『江戸時代
    物語』 が見分できる。
  遣唐使船や平清盛物語も教養価値が高い。
  海産物や海軍食などグルメも他地域と遜色はない。
  江田島も含めれば、更に高い歴史価値や、カヌー体験
なども楽しめる。
  広島市や、宮島、松山、今治、しまなみ海道、etc・・・大勢の観光客が訪れる日本有数の
     名勝地との周遊ルートも可能である。


 
これを結べば、日帰り旅行もよし、1~2泊旅行もよし・・・、 このぐらい変化に富む観光資源をもつ呉(周辺)は、日本第一級の観光都市であって不思議ではない。
  

      


  
Ⅲ.”地域”観光作戦の推進に関連する提案

  1. 推進組織や 手順等に関する提案    (◆印=提案項目)

①作戦立案をリードする基盤強化

◆観光ボランティアと行政(担当課or係、担当者)間での打合せ等を密にする。

◆観光ボランティア提案や住民ぐるみボランティアパワーをフル利用する。
   全国各地で熾烈な観光客誘致合戦が行われている現状では観光ボランティア
   の情報・立案や住民協力なしで【勝ち組】にはなれない。
その為には、
◆観光ボランティアグループ(全体)のレベルアップを目指さねばならない。
   【勉強会等】を盛んにして、(ガイド技術以外も)外部情報、情報処理技術、パソコン
   技術、その他関連するあらゆる面で知識向上を目指す。


②観光振興;推進計画の全体像を描く

◆(特に外部情報入手、情報処理技術)を高める・・・勉強会等を活用
◆外部(一般市民等)からも【観光振興・街興し】提案や論文を募集する
    提案・論文内容と併せ、観光振興に関心をもち推進に協力的な市民を発掘する

③推進する順序を考える

   (基本的には同上常にブラッシュアップを計り、予算に合わせて計画する
    順序を間違えると、莫大な浪費蓄積を招き兼ねない)

④臨機応変に修正可能な作戦計画

⑤ステップアップ方式で作戦推進

      


  2. 【観光の商品価値UPや、誘客作戦 】に関する提案       (◆印=提案項目)

【観光商品の価値アップ】
作戦
◆KVGエリア内(旧市内、音戸、下蒲刈、御手洗)複数拠点通しガイドの実施。
  a.複数拠点周遊ストーリーの作成
  b.通しガイドor リレーガイド実施
  c.
複数拠点周遊.ガイド依頼の一括受付
    (ガイド員が不足する場合は、バスツアー会社や時期を限定してトライする、
    観光ボランティアの【員数×能力】を増強し、発展的拡大を目指す)


 その結果(経過)に応じて、
◆KVGエリア外(江田島、倉橋、・・・松山、しまなみ海道、宮島、広島等)の観光ボランティアグループとの連携を模索する。

  その進展具合に応じ、
◆湯先知事の『瀬戸内 海の道構想』に積極参加して
  (ボランティア連携だけでなく)瀬戸内観光拠点同志のコラボにも協力する。
 呉は、広島・宮島~松山・とびしま・しまなみを結ぶ『瀬戸内のど真ん中』にあり、瀬戸内 海の道構想では、他のどの地域より主役に相応しい条件が揃っている。

市民、住民を取り込む【ボトムアップ作戦】
◆街興しの協力者を発掘し、市民層に輪を広げるには、
  住民の要求は、『何をして欲しいか?』ではない、『
積極的に何をしたいか?』と言う時代に変っている。だから市民の趣味技能や個性を引き出すチャンスを与えれば、それを生き甲斐にして協力する。 それを利用しない手はないのだが、その上手い下手が大きな地域差になる。

◆街興しに協力的な人の発掘方法については、
例えば、
 ・街興しに協力的な人が集合し易いチャンスを設ける為、市役所や体育館
  ロビー等に、写真・絵画の展示場を設け、大々的PRと作品募集合わせ行う。
 ・アマチュア作家等に、何処かの空き地を利用して、人目を惹く様な
  巨大モニュメントや芸術作品を創作する場を与える。
 ・その他(各種スポーツ、囲碁、将棋、ウォーキング、マラソン、・・・等々)も同様の
    やり方で更なる発展を目的とする協力者を発掘する。


   応募者の中から本件に関心をもつ協力者を発掘し、輪を広げていく施策を考える。

観光客を誘致の【PR作戦】

◆(広島・宮島・しまなみ海道等)に来訪する客を呉に呼び込む場合
  ①地域(呉単独)よりも複数地域を結ぶストーリー化を考え、
    【地域複合の観光価値】を前面に掲げ
  ②観光客が自然の流れる様な、周遊ルートを合わせてPRする、

 その為には、呉を例にとれば◇”呉”単独でなく、【周辺観光を抱き合せ】ストーリー付けてPRする。
 例えば、
  ・【広島ー宮島ー呉】を結ぶトライアングル、・・・地理的、歴史的ストーリー性
  ・【呉ー下蒲刈ー御手洗】=歴史周遊、
  ・【広島ー呉ーとびしまーしまなみ】=瀬戸内絶景コース、村上水軍、大東亜戦史
  ・【呉ー江田島・・伊保田、大津島】=大東亜、太平洋戦史、
  ・呉ー横須賀ー佐世保ー舞鶴【】=日本遺産(大東亜・太平洋戦歴史周遊)、
  ・   ・・・等々

◆市民層によるインターネットPR作戦
  ・市民層対象にパソコン教室を開き、フェースブックやブログ等の開設を推奨する。
   初級者コース等の指導者は可能な限りボランティア協力が得られる仕組みが
   できていれば、受講費用は最低限にできる。

その他 【アウトバウンド観光】の進め

 観光振興に携わる人は、往々にして観光客誘致(インバウンド観光)しか考えない。 しかしインバウンド観光客に、私たち観光ボランティアが幾ら心を籠めて "おもてなし" しても、来訪客の 1%にも満たない。 しかも、彼らが帰郷した後、 "呉" のPRをして、来呉客(リピーター)が実現する確率よりも、呉市民が全国を観光(アウトバウンド)しながら "呉" の話しをする方が遙かにPR効果が大きい。
 アウトバウンドの人数は、基本的にはインバウンド客とほぼ同数の筈だ。 本気で呉観光振興を考えるなら、呉にゆかりの深い住民が全国に出かけてPRの要員になる様に、教養講座(セミナーなど)や観光興味啓発することを考えるべきである。

 

 

                   

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