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地域観光振興作戦ー2  
2015~2016 ブログ(一観光ボランティアの目)投稿した記事です


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 3.地域観光振興の推進チーム

11  観光振興作戦のリード役      2016/11/12

”観光ボランティア” を最大限活用する組織
 【観光先勝地】では、必ず 『ボランティアが大きな役割を担っている』 ことは既に述べた。
それは、観光ボランティアには、観光作戦で 最も重要な 次の特質が揃っているからである。 言いかえると、【観光振興作戦】は、『観光ボランティアを如何に上手く利用しor利用されるか』 が勝敗の分かれ目になる。 地域観光はそんな世界である。

◆観光ボランティアに揃っている特質
観光ガイド活動から直接得られる貴重な情報や知識は、他では代替えできない。
どの業者団体とも利害に縛られず、大所高所からアイデアや提案ができる
最少限度の人件費で、質の高いのマンパワーを大勢動員できる。
④・・・等々。
行政と観光ボランティアの協力組織
  しかし観光ボランティアは単独では 対外的な働きはできない。
 だとすれば、『観光振興作戦のリード組織』 としては、
行政には、『ボランティアとの連係を密にし 最大限利用しながら 関係各方面に働きかける手腕』が問われる。
観光ボランティアは、
行政に対し ①マンパワー動員力に加え、②最新情報収集力、情報処理能力、アイデア発案能力などが問われる。

  ※「観光振興作戦リード役」としては、この2原則が上手く噛み合う組織を目標にしなければならない。 【一般地域】にはハードルが高くても、「勝ち組」地域では、現に、上手く機能している実情は認めねばならない。

 


12  【観光振興作戦リード組織】の障壁   2015/12/02
  
 「
行政と 観光ボランティア連係協力=強化」 と言っても、多くの組織や、ボランティアグループにとって、古い固定観念を打破し、それを実現するのは容易でない。
その障壁としては

行政側もボランティアグループも、『ボランティアが重要な役割を担う』 と言う発想がない
殆どのボランティア員は 【現状満足型】 で、わざわざ「要務」を担うことは望まない。
ボランティアグループも、現状の改革の難題に挑戦意欲の高いグループ は少ない。
行政も、業者の既得権や、地域住民の 公平性に変化を来すことは触れようとしない。
それは、視点を変えれば、次の見方ができる。

① 【発想の転換】 ⇒旧来型固定観念から、【発想転換】する気があるか?
② 【意志の強さ(=本気度)】 ⇒ 【観光客誘致意志の強さ(=本気度)】の問題
【資質向上
(新知識・情報処理力、判断力、発想力・・・等) ⇒チャレンジ精神の強さ
【周囲を説得力 ⇒ 【現状変革の重要性】 と【抵抗勢力】の  調整/妥協バランス。

  しかし・・・これが先勝地との違いだから、乗り越えなければ・・・、いくら努力しても 競争相手と並ぶことはできない。 一朝一夕には難しくても、常に意識し 少しづつでも前進を目指さねば何も変わらない。
 

 
13 行政と観光ボランティア連係組織の解消  
   ***** 当事者の気迫と熱意 *****

  前稿では、観光ボランティアガイドで得られる、全国版の最新情報や知識やヒントが、極めて貴重であること。 のみならず観光ボランティアは、最少経費で質の高いマンパワーも大勢動員できること。
 しかし、ボランティア単独では何もできないので、①行政 と協力を密にして 強力な【観光客誘致】作戦を展開すること、及び ②それは、【観光先勝地域】では、とっくに実現していて、現に、国内観光客の大半を呑み込んでいることを指摘した。


つまり、一般地域は『先勝組の独断土俵に、遅ればせながら参入していく』 という構図だが、現実的なケースとして、当事者が次の様な状態では連繋理由がない、解消せざるを得ない。

生真面目な地元愛は、往々にして狭い視野に固執して、外部動向を冷静に判断できない場合。
いつもマンネリ化業務に追われ、その延長以外、新規の発想意欲が欠けた場合。
常に外界に視野を開き、多方面に【ブラッシュアップ努力】する気迫が足りない場合。

 行政もボランティアも、如何にして 『広い視野をもって 大所高所から戦略を練り、実行できる協力体制 が組むか・・・』、観光振興作戦は当事者には、 そんな気迫と熱意がなければ、始まらない。
 
 

   4 市民及び観光関係者の文化啓発 

 14  市民及び観光関係者の文化的啓発                       【市民参加の文化活動】
観光振興は、単に【観光客誘致】を考えるだけでは行き詰まる。
 受入れ側の観光関係者や市民も、ある程度の関心や文化的水準がなければ、地域イメージは上がらない。 それは、例えば コンビニでの買い物や、ちょっと道を尋ねても大凡 想像がつく。
◆◇ 啓発の方法としては次の様な方法が考えられる、
講演会、シンポジウム、発表会・・・等々の教養講座 や、勉強会等の開催
広報、パンフレット、新聞・テレビ等のCM、等の情宣活動。
 観光振興・文化振興等・・・について、論文や提案を精力的に公募する。
インターネット作戦・・・パソコン教室等→ブログ、フェースブック開設の指導(手助け)
その他 (見学会、小旅行、ウォーキング・・・等々を通じて 意識交換する)
注意すべきは 『観光振興といっても観光客が来るだけでは、市民には何のメリットもない』 ことである。
 だから、先ずは ①教養講座、娯楽、リクレーション、・・・等 興味を引き易いことから、次第に ②(観光振興の)メリット還元についても理解が深まる様に、誘導するステップが大切である。
 ◆◇それを 「行政/観光ボランティア」 が協力連係して、催行内容や時期、頻度は、有効性を見計らって企画する。

 


15   市民ぐるみボランティア;
    『勝利が勝利を呼ぶサイクル循環』    2016/1/25

 勝利が勝利を呼ぶ好循環
  今や『観光ボランティアは、全国で活躍している』 。 と言っても、【マンパワー動員力】や【知的レベル】(=情報入手、情報処理、新規発想力、対外提言・交渉力、チャレンジ意欲・・・等々)のレベルは千差万別である。 それが観光振興の勝敗に大きく影響する。 「嫌」でも観光振興は「競争の世界」だから仕方ない。
  要は、市民の関心度が高ければ、自ずと観光ボランティア員も増え、文化的レベルも高まり・・・、【勝ち組】には、 市民ぐるみで『勝利が勝利を呼ぶ好循環』 ができあがっている。

     
 
【飴と鞭の】を使い分け
 しかし、【一般組】では、『観光客誘致は・・・ボランティアの仕事でない』 と言う古い考えを 忠実・生真面目に遵守して、来訪客への 「おもてなし」が全てという)オールド集団に固まってしまう 。
 それを何とかしようと言うのがこのブログの主旨だが・・・。
 旧来思想に忠実で 「生真面目集団には、余程指導力あるリーダーが出現しなければ、発想転換は容易でない。
 創設 間のないグループならともかく、 歴史の古いグループでは、尚 難しいだろう。
  唯一の方法は ;行政等から、ボランティアグループへの 『補助金や助成金、各種援助など=【飴】』 には、【実績(成果)配分=【むち】】 とをセットにして、バランスのとれる計算方式を考えることだろう・・・。

  ◆【飴と鞭の】を使い分けが不適切だと、
『競争に打勝てる組織基盤』 はできない。 単なる成り行きで・・・来呉客の増減に一喜一憂するのでは何の進歩もない。

 


 16   瀬戸内国際芸術祭 2016 (参考)    2016/2/13

最近、日本各地で芸術祭イベントがブームになっている。 中でも、”瀬戸内国際芸術祭2016” が脚光を浴びている。
 それは瀬戸内海(香川県)の12島+高松 &宇野 ≫が しっかり連携して、今は国際的なイベントに発展している。
 テレビ(別番組)や新聞でも紹介されているが、【アート(芸術)をテーマ】に、全島が結集し、それも実態は 『全島民の総ぐるみボランティア』 で、100万人超もの来訪観光客を ”おもてなし” するという。

 大体、人口減少し、猛烈な過疎対策に悪戦苦闘している瀬戸内海の島々にあって、そんな大規模な国際イベントが トリエンナーレ(3年に一度)開催されるに様になった現実に敬服する。

 興味深いのは、
『何が発端で、どんな努力と、経緯で、現在の企画・規模にまで発展したのか』である。
  聞く所によると、その過程は、恐らくこのブログの主旨と共通するのではないかと思うが・・・、アーティストたちのボランティア活動から始まり、行政の協力・バックアップもあり、互いに一体となり、長年月を掛けて推進してきたのだろう。
 試行錯誤を重ねながら、当事者の本気度と熱意が高まるにつれ、支援者が支援者を呼び、住民が住民を結集する・・・そして好循環が更に好循環を呼ぶ構図が自然発生的に生まれて来たのではないかと想像する。

 テレビ等で見る限り、過疎にあえいでいた筈の12島もの島で、島民も芸術家も 皆、ボランティア協力に活き活きとしているのが印象的である。
 
『発案者→協力推進者→トライ→協力支援者→拡大発展→・・
→住民ぐるみ協力チーム』、それは呉市周辺についても不可能ではないと思うのだが・・・?

        瀬戸内国際芸術祭2016  http://setouchi-artfest.jp/about/
 

 

 5.地域観光振興作戦のグランドデザイン 

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観光振興作戦の全体像      
要するに、視野を広げ、 『旧態依然とした発想』 が柔軟に転換できれば、観光振興作戦の全体像は自ずと見えてくる。 それは次のアイテムに要約される。
①観光振興リード役(=行政・観光ボランティア協力)の仕組み造り
②観光資源の有効活用作戦(=周辺地域連係のチーム造り)
③市民及び観光関係者の文化的啓発(文化振興作戦)
④観光客の誘致作戦(広報宣伝・等)
 要は、これら各アイテムを、一歩づつ着実に進めていくことが、私の唱える【観光振興作戦】である。

観光振興作戦の具体化
  しかし、旧態依然とした発想』 の転換』 と言っても、「観光関係者や、行政や観光ボランティアも、住民も」 と言うのは容易でない。  しかし、その度合いが高い地域が【勝ち組】 になっている現実は認めねばならない。
 ともかく急速にではなく、『
少しでも前進すれば、それだけ【観光地順位】が上がる』 と言う感覚で、一歩づつ改善していくことを、【行政/観光ボランティア】 が考えれば、色々な方法が見つかる筈だ。

 


18    リスクを避け持続可能な施策を積み重ねる     2015/2/13

 観光客が増えれば、町が活性化する、関連産業に雇用が生まれ、地域財政も潤う・・・などが期待される。 しかしそれは 『上手くいけば・・・』 の話しである。
 観光事業は裾野が広いから、少々の補助金で一部が突出しても効果はない。 一部が崩れれば総崩れの危険性もある。 だが何もしなければ時代に取り残される。 だからと言って その場限りの盛り上げ行事(打上げ花火)の繰返しでは経費が嵩むだけ・・・。
◆観光事業は、決して安定した事業でない
  観光地としての魅力維持、地域住民の協力と理解、観光ブームの持続性、旅行業者や交通機関の経営持続性、飲食宿泊業者&ショッピング施設、・・・等々、各方面の一角が崩れれば大きく変動する。
 訪日外人客だって将来の保証はない。 偶々大河ドラマや映画などで脚光を浴びても長続きは容易でない。 鉄道や道路の開通や廃止でもガラッと変わる。 老舗温泉郷でさえアッと言う間に寂れてしまう。 国家的見通しで建設したグリーンピアやテーマパークも多くは誤算に終わった。
◆観光振興策の進め方
 観光事情は好調が、5年、10年、30年・・・それ以上持続する保証はない。 それを一朝一夕に楽観見通しで長期計画をたてるのは危険性が大きい。
 しかし、順序を考えながら少しづつ、地道な動きが感じられれば、市民も民間業者は目ざといから、自ずと協力者が現れる。 現れないとすれば、観光資源価値の不足か?、住民感情などの問題か?、長期持続性の不安か?・・・、原因を考えながら
、つまり
焦らず、持続可能な努力を積み重ねながらだんだん発展させていく。
過大な長期投資はしない、未回収残高は 極力極少化を原則とする。
 


 19   アウトバウンド観光の進め       2016/2/15    

1.地域から ”全国へアウトバウンド観光

 観光振興に携わる人は、往々にして観光客誘致(インバウンド観光)しか考えない。 しかしインバウンド観光客に、私たちが幾ら心を籠めて "おもてなし" しても、その 1%にも満たない。 しかも、彼らが帰郷した後、 "呉" のPRをして、来呉客(リピーター)が実現する確率よりも、呉市民が全国を観光(アウトバウンド)しながら "呉" の話しをする方が遙かにPR効果が大きい。
 アウトバウンドの人数は、基本的にはインバウンド客とほぼ同数の筈だ。 本気で呉観光振興を考えるなら、呉にゆかりの深い住民が全国に出かけてPRの要員になる様に、教養講座や観光興味啓発することを考えるべきだろう。

2.近距離周辺地域との 『交換 ”おさんぽ旅行”
 ”おさんぽ旅行”とは、主として地域住民に、次の様な特典をつけて周辺地域に誘い出そうと言う発想である。  (旅行業法等で 必要ならツアー業者の協力を仰ぐものとして)、例えば、呉を起点に考えれば、松山とか、宮島とか、今治とか、しまなみ海道とか・・・、周辺地域への小旅行を開催しようと言う提案である。

”特典としては、
①観光ボランティアが移動中の交通機関(船・バス)に同乗して観光内をする。
②現地は基本的に自由行動とし、散歩や、ウォーキングや買い物を楽しむ。
③交通費の割引 ;具体的には主催者が交通機関と交渉する。

◆その狙いは 
①双方の【経済効果】  相手地域からも 同様なお返し (=インバウンド)が来る。
②(観光ガイドの仕方によって) 双方の市民が共に、観光に関心が高まり、互いにリピーター客になり得ること。

◆最も簡単な催行方法としては、
① 観光ボランティアの日常ガイド業務等を通じて参加者を募集し、数名集まれば催行する。
②その結果、好評が得られれば、参加者募集方法、催行頻度を増やす等を検討して規模拡大を目指す。 
 


 20  
複数拠点の連携チーム造り      2016/3/9

観光スポット数が急増し、観光客誘致に日本中しのぎを削る現在、狭い単独スポットに来る観光客は無に等しい。 だから各々のスポットが連携して、魅力の大型化は必須条件になっている。
 しまなみ海道(サイクリング)=尾道~今治間のスポット連携(山陰まで拡大の動き)、 広島~宮島=文化遺産連携(車の両輪)瀬戸内国際芸術祭=瀬戸内12島連携・・・等々、誘客は何れも 広域連係がベースになっている。
 

  呉市の場合、市内中央部、音戸、倉橋、江田島、灰が峯、野呂山、下蒲刈、とびしま海道、御手洗等々・・・、歴史的にも、景観的にも 第一級の有数な観光資源 が揃っている。
これらが上手く連係できれば、【規模も、観光価値も】 国内有数な観光地になる素質が備わっている。 しかも殆どが 呉市内(同一行政区内)なので条件は良い筈だが・・・。

それでも一朝一夕には進まないのが普通だろう。
ⓐ現状のままで変化を好まない人、 ⓑ既得権を固持する人、 ⓒ狭い郷土を荒らされたくない人、ⓓ観光振興を好まない人、 ⓔ その他 色んな立場の人がいる筈だ。 行政当局も、平穏な現状に敢えて波風を起こすことはしない・・・。
 ならば、一朝一夕には行かないとしても、オーソドックスな施策と手順は、頭に入れておかねばならない。

先ず始めることは、『勉強会』 に力を入れる。
 【講演会、講習会、体験見学会、シンポジウム、広報、その他】 (なるべく頻繁に)開催し、
 当事者層及び広く市民層の
啓発を計る。

その進行具合に応じて賛同有志を募り、有志だけで話合いや検討を進める。
市政だより、メディアCM、観光パンフレット、その他の広報で呼び掛ける。
主催旅行業者、交通機関、飲食・宿泊業者にも伝え、観光客誘致キャペーンに努める。
成果がでれば、広報等で広く伝え、参加を呼び掛け(⇒ 連携チーム規模拡大)を計る。

 


21   観光【勝ち組】と【その他大勢】の棲み分け   2015/11/23

 【勝ち組】 条件として、このブログでは、大凡10年以上(見込みを含む)累積(成果)が、大雑把に次の様な基準を想定している。
(一般市民を含む関係者の)観光振興に対する本気度は、引き続き持続しそうか?
(10年閒ぐらい)累計で 利益になっているか?、更なる持続が見込まれるか ?
(10年ぐらいの間に)街の活性化が 高まってきたといえるか?
観光振興と直結する(商店街やデパートなど)に活性が蘇っているか?

  市民の関心度は、来訪観光客が、複数の市民に、何かを尋ねれば 大凡検討がつく。 各地の観光ボランティアグループ との交流会、県観光ボランティアの総会、個人的に観光地を訪れた印象、新聞やテレビ・・・等々から見て、 【殆どの地域の観光事情】は 、あらゆる努力をしても《くたびれ儲け程度》 の利益で、『胸を張って観光【勝ち組】と言える地域は少い 』 と考えている。
 それに対し、【勝ち組】には色んな幸運もあるかも知れないが、ともかく、勝ち組が)存在する以上、ランクアップする作戦を考えねば、持続的な利益は得られない。
                                    次ページに続く 
 


                   

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