私の歴史観  My Historycal Feeling


元従軍慰安婦問題

 
1. 朝日新聞の訂正記事と、政府とマスコミ報道界への疑問      (2015/1記)
    ことの発端は、30年も前の話だ。 朝日新聞は、『かつて日本軍の指示により、済州島で慰安婦募集した際、女性を強制連行していた』と言う 《吉田清治氏の証言》を報道した。
  ところが、吉田清治氏は信頼できる人ではない(証言が信頼できない)ことが判明したので、(30年の)記事を訂正し、大々的な謝罪記事を載せた。
 しかしそれは、朝日新聞なる超有力新聞は、『日本軍にとって言われのない不名誉』を全世界に報道し 『 30年間も放置していた』 と批判を呼び、一般大衆からも袋叩きされている。

しかしそれには不可解な疑問が残る。
 この問題は朝日新聞の報道より後に、村山総理(当時)談話や河野官房長官(当時)談話で、日本国の意志を 全世界に表明し国際的にも落着している。
 それなのに何故、今更 30年も前の新聞記事を大々的に訂正し、大騒ぎする必要があるのか?

 ❶ 訂正記事の主旨は、 『当時、吉田氏が語った証言が事実無根(=虚偽)と判明したので、当時の報道は誤報だった』と言うことの様だが・・・
  しかし慰安婦問題については、その報道よりも後 1993年には河野官房長官(当時)談話で「心からのお詫びと反省」を世界に表明し、2年後1995年には村山首相(当時)もダメ押しする様に慰安婦本人に「お詫びの手紙」を送って、一先ず治まっている。
 それをわざわざ掘り起こす意味は何なのか?
  まさか、河野談話や、村山総理のダメ押しが朝日新聞報道に惑わされたと言うのでは、”日本国” の信用が問われる。
 
 それほど深刻な問題なら、何故 報道当時に批判がなかったのか・・・? 当時、河野長官や村山総理を取巻いていた自民党員も、官僚たちも、対立派の人々も・・・当時の関係者は、一体、何をしていたのだろう?、極めて奇怪だ !!
 朝日新聞が報道した当時は、
◇慰安婦募集業務に携った人も、その周辺にいた大勢の証人も健在だった。
◇それなのに何故、センセーショナルな批判は起こらなかったのか?
◇それとも最近になって《新たな証拠》が見つかったのなら、何故示さないのか?
◇誤報だったとしても、何故、当事者も証人も 、慰安婦当人も90歳を超え発言力も
  衰えた今、訂正が叫ばれるのか?
    ❷ 吉田証言が虚偽だったとしても、「軍の関与よる女性(慰安婦)の強制連行」 を全否定
    することはできない。
    ❸ それよりも 30年前の新聞記事を記憶している人は、99.9・・・% いない。 それなのに
    何故、そんな大々的な訂正記事を載せる必要があるのか・・・?? 理解できない。
   しかし早速、朝日新聞の訂正に対し反応が現れた、
 安倍首相は、当時、日本軍が「人さらいの様なことをした事実はない・・・ !! 」と全否定を明言し、政権閣僚や自民党の政治家も、同じことを豪語する・・・。 
 一般大衆は、ダラダラ長々書かれた記事を読む人は少ない、 当時の世情を理解しなければ、読んでも誤解しかされない。

 しかしマスコミも、政治家に便乗して解説するから、国民大衆は朝日新聞批判を強め、朝日新聞や、河野官房長官(当時)や、村山首相(当時)を売国奴呼ばわりする論調さえ現れる。
それを言うなら河野長官や村山総理の談話が発せられた時、傍で黙認していた自民党員も、官僚たちも同罪と言わねばならない。

 それにしても、誰の為に、何の目的であんな記事を載せ、マスコミを巻き込んで大騒ぎするのか??、・・・本気で訂正するなら、(国内でなく)世界に向けて 『河野談話や村山談話の取消し』をすべきではないか ??』
 それはしないで・・・朝日新聞を不快を思っている人が難癖をつけるのでは、反日感情も、反韓感情にも火をつけるばかりか、国際世界にも受け入れられる筈がない。

   最近、朝日新聞も、その他のマスコミも、テレビコメンテーターも、政権批評の論調はかなり丸まってきた。 単なる私の思い過ごしならともかく・・・、政権にとって辛口・不都合(?)と思われるキャスターは次々降板した。 原発についても、最も深刻な【遠未来の課題や危惧】についての解説は極めて盛り上がらない。
 政治家からの圧力か、それとも忖度か、日本中のマスコミが萎縮し、報道がコントロールされるとなれば、大変由々しい・・・!!


2. 日本軍による 『女性の強制連行』 を否定する証明
日本の総理大臣は、『彼女たちは自ら志願した』と公言する。
 私の聞く処によると、日韓併合前の朝鮮は 清国の従属下にあり、8~9割を占める平民層は、厳しい身分制度の下で、奴隷状態の置かれていた。 日本が侵出すると、支給される高給も、施される教育も魅力で、(慰安婦や徴用工など)大勢志願していたことは事実だろう。

  しかし日本軍は、国家総動員法や徴兵制の下では、国策批判をすれば非国民とか逆賊呼ばわりされ、憲兵にも目を付けられた。 また赤紙一枚で万歳三唱しながら戦地にも出征した。 その拒否は事実上不可能で、戦地では上官命令に絶対服従、違反者は綱紀粛正が乱れる理由で厳罰に処せられる。 その仕組み自体が【強制連行】ではないか・・・ ??

満州や中国の戦線で、殺気だつ日本兵相手に、どれだけ慰安婦(人数)が必要か・・・日本軍はそれだけ慰安所を設け、慰安婦を募集した。 
  募集は、恐らく民間にも委託されたと見るべきだろう。 それが「お国の為・・・」なら至上命令で誰も拒めない。 請負業者にとっては 「功績を上げ、財を成すチャンス」だ。
  それには朝鮮人もいただろうが、目的の為には戦地では正気の沙汰ではない。 ドイツの「ユダヤ人虐殺」や、関東軍も毒ガス兵器を使用し、人体実験も・・・どんなことが成されていたか知れたものではない。
  吉田証言が偽証としても、「軍による強制連行はなかった」と どうして全否定できるのか?・・・それとも民間委託すれば「軍の関与でない」と言う理屈なのだろうか・・・??

勿論、私に当時のことは分からない。 しかし国家総動員法や徴兵制の下では、特攻出撃や、集団自決さえ、「建て前」としては全て「自ら志願した」ことになっている。
  日本軍の統治下では、(朝鮮人や中国人の)生活は貧窮し、屈辱的差別を受け、反日・抗日感情を掻き立てながらも、日本兵の恐怖に「面従腹背」状態の置かれていた、そんな仕組み自体が「強制連行」ではないか?
  しかし、安倍首相が、当時「建て前」の文言を現代感覚で解釈し、「日本軍が強制連行した事実はない」と断言するのは時代錯誤である。 日韓関係は益々悪化する。


3. 韓国民の 【反日感情】 について・・・
 私は、偶々30年前には韓国で仕事していた。 その頃、日本統治時代の経験者が健在だったので、幾人もの体験談などを聴かされた。

  朝鮮半島の地で、彼らは下等人種と蔑まれ、生活も貧窮が強いられ、学校でも侮蔑的差別を受け・・・、それでも(清国支配時)下層階級に属していた人は親日派も多かった。
 しかし彼らが集団で朝鮮語を話していれば 「国賊」とみなされ、日本兵に逆らえば連行され 戻って来ない人や・・・。
 それを、日本人の配下で功を成す朝鮮人憲兵や役人や朝鮮人業者が厳格に取締まり・・・、日本人への不満を口にできないで、多くの朝鮮人は(建て前では)志願して炭鉱や工事現場など重労働や危険作業に就いた・・・。
  日本内地では、両国民が溶け合う場面もあった様だが、総じて朝鮮人の信用は低かった。 関東大震災では朝鮮人への流言飛語が飛び交い虐殺事件も起ったという。

  そんな状態が 30年も続くと、太平洋戦争の頃は、朝鮮半島全土が反日感情に染まり、日本の敗戦には諸手を挙げて喜んだと言う。
  そうして当時を経験した韓国人の反日感情は戦後も根強く尾を引いていた。 それは日本人も、在日韓国人や朝鮮人への偏見や差別は、戦後しばらく続いていた。

      しかし最近の日韓政治家は「選挙対策」しか考えないから「日韓関係」は一向に改善しない。
 
 ❶  韓国政府は、自分たち不手際を、日本側に責任にスリ替え様として 「嫌日感情」を煽る。
 ❷  日本政府は、正当性を訴えることに何時までも拘わり続けて「嫌韓感情」を煽る。
   しかし「慰安婦や徴用工問題」は20年前、全世界に発信した「河野談話や村山談話」による謝罪で解決している。
 それなのに何故、今更「30年前の朝日新聞記事」などを掘り起こして、謝罪内容を取り消そうとするのか?
 政治家都合の「正当性」を訴える為、マスコミが躍らされ・・・、日韓両国民が「嫌韓感情」や「嫌日感情」を増進するのは不幸な話だ・・・。


 4. 人権擁護家の問題 について・・・
   日本の人権擁護家は、従軍慰安婦問題を『性奴隷』と言って、人権侵害の最上級の極悪表現をする。 しかしそれでは、慰安婦の 『性奴隷』よりもっと残酷な悲劇が隠ぺいされてしまう。
 小説や、テレビドラマや、ドキュメンタリーの証言などには、前戦では一般市民の無差別虐殺や、兵士によるの略奪、暴行や強姦を受け子連れで身投げするシーンや、反抗して瀕死の暴力を受けるシーンもある。

 現に戦地では何が起こっていたのか帰還兵は一切語らない、語れないのが実態だろう。
所が、頑なに語らなかった帰還兵も 90歳を超え、余命が覚られる頃になると、テレビドキュメンタリーや新聞の投書欄に寄稿し、『上官命令で、扱いに困った捕虜の処刑を言い渡され・・・とか、捕虜を樹木に縛り銃剣訓練の的にした・・・』など、長い間 黙秘し続ける呵責に耐え兼ね、息を詰まらせながら証言する姿が痛ましい。


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